桐蔭学園 vs 法政二(写真=佐藤亮太)

 つまり心理的陽動から焦らして、ミスを誘い、あえて引いた戦いをしながらのカウンター発動。ロングスローを含め、相手をあっ!と思わせる、その真意はここにあるように思える。

 悪い時間帯がありながらも桐蔭学園が無失点で終えられたのは、相手の背後にボールを供給し続けられたこと。八城監督は「本意ではないが」と前置きしたうえで背後にボールを送ることで悪い奪われ方は減り、少なくともショートカウンターは封じることができた。これが功を奏した。

 そしてもうひとつがGK1神保颯太の存在。「きょうのMVP」と監督が称えるほど、チーム全体に安定感を与えた。またこれまでロングスローやCKでの失点が多かっただけに無失点で勝てたことは大きい。

 神保は「自分のなかでセットプレーが課題だった。これまで積み重ねたものがこの大会でゼロに抑えることにつながり、これまでの集大成が出た。努力の結果」と手応えを語った。

 法政二の心理戦に打ち勝った桐蔭学園は6月17日の準決勝で日大藤沢と対戦する。

(文・写真=佐藤亮太)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)神奈川予選
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