法政二が4‐0で荏田に完封勝利し、3回戦に進んだ。結果的に荏田が堅守速攻、カウンターの策を取らざるを得ないなか、法政二はその解決法を見事に示した。
相手陣内に押し込んだ場合、まずミスをしないこと。ミスとしてもすぐに奪い返すこと。それでも突破されそうなら、相手に前を向かせないこと。これらをイレブン全員が共有でき、かつ90分間、破綻することなく、できた。これが4‐0につながった。
荏田 vs 法政二
「この夏は守備をテーマにした」と法政二・水島光監督。
高円宮杯 JFA U-18 サッカーリーグ 2023 神奈川K1では10チーム中、現在9位と苦しんでおり、その要因が守備の緩さと指摘。それもあってか、この夏、部員170人の大所帯で編成される各チームを一度、バラバラにしたうえで「学年に関係なく競争できる環境を作りたかった(水島監督)」と再構築の真っ最中。
執拗なプレス。攻守の切り替え。ミスの少なさ。補完性などきょうはうまくいった。課題の守備が良ければ攻撃は十二分に発揮される。4点とも個人技にあふれたゴールばかりだった。
豪快なミドルを叩き込んだ先制弾のMF30滝本は「夏の個人課題として点を決める中盤になりたいと思っていた。自分は足が速くないのでシュートに比重を置いてシュート練習した」と文字通り、練習通り。さらに「(法政二は)守備中心のチーム。切り替え、セカンドボールの回収に重点を置いているので徹底していた」と攻撃的守備が法政二の特徴。そして4点目を決めたFW10浅田は「1点だけでなく、2点、3点、狙えるチャンスはあった。(勝ち進むうえで)もっと強度をあげなければならないのでまだまだの出来」と反省を口にしつつ「リーグ戦、選手権と失点が減り、成果は出ている」と手応えを語った。
良い守備からの良い攻撃が実践できた法政二。水島監督は試合後、選手たちを前に「成長が見られているので続けていこう」と伝えており、好感触を掴んでいる。
その法政二、出場した選手の多くがJクラブのユースチームとの練習試合へそのままむかった。限られた時間のなか、実戦経験を積ませ、選手を磨きに磨いている法政二。力強く、踏みしめながら、その歩みを進めている。
(文・写真=佐藤亮太)
▽第102回全国高校サッカー選手権神奈川予選
第102回全国高校サッカー選手権神奈川予選