東海大菅生 vs 多摩大目黒(写真=多田哲平)

 均衡を破ったのは延長前半だった。84分、石井が放ったロングスローの流れから今井が左足ボレーを叩き込んでついに先制。さらに、その3分後の87分にはMF5宮川怜恩(3年)が豪快なロングシュートを決めて突き放す。98分には途中出場のMF8天野隼輔(3年)のゴールでダメを押した。

 それでも諦めずに怒涛の反撃を仕掛けてくる東海大菅生に100+2分に1点を返されたものの3-1で勝ち越し。15日の成立学園との3回戦に駒を進めた。

 多摩大目黒の遠藤雅貴監督は「初戦ということで気持ちが入りすぎてしまって、緊張や固さがかなりありましたね。本来であれば、相手がブロックを作っても引き出して、もっとテンポ良く狭いエリアでコンビネーションで崩せるんですけど、きょうは菅生さんの粘り強さやうちの緊張もあって、その我慢して引き出すということができなかったですね」と攻撃面の反省を挙げた。

 それでも最終的には3ゴールを奪っての勝利するところに、攻撃力の高さをうかがわせる。遠藤監督は「ちょっとずつ良い距離感でできてきたので。粘り勝ちですね。これも経験です」と語った。

 一方で東海大菅生も敗れたとはいえ、しぶとく食らいつく姿は素晴らしかった。長い時間ハイインテンシティの守備を続けて多摩大目黒を苦しませ、カウンターで相手ゴールを脅かすシーンも一度や二度ではなかった。DF3髙橋響楽(3年)とDF4山田伯阿(3年)の2CBは粘り強く相手の進入を阻止し、MF6大友耀生(2年)とMF10藤原凌(3年)の2ボランチは攻守に働いた。右SBのDF5笹原匠真(3年)は最終盤でも相手ゴール前に飛び出して一矢報い、GK1佐々木惟智(3年)は鋭い反応でピンチを何度も防いだ。

(文・写真=多田哲平)

▽第102回全国高校サッカー選手権東京予選
第102回全国高校サッカー選手権東京予選