10月29日、第102回全国高校サッカー選手権大阪予選は中央トーナメント2回戦がJグリーン堺で行われ、第2試合で近大附と関大北陽が対戦。3-1で勝利した近大附が準々決勝に駒を進めた。

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　プリンス関西1部の近大附は初戦となった羽衣学園戦を先制されながらも逆転勝利。昨年のインターハイにも出場し、近年の成績は古豪復活を印象付けている関大北陽は2次予選2回戦から2試合を大差で勝利。実力校同士の対戦となったこの試合。

　先手を取ったのは関大北陽。10分、FKからクロスをゴール前に送ると、競り合いからDF3市東陸(2年)がさらに前に送った浮き球にいち早く反応したFW10立花蓮(3年)が頭で流し込みネットを揺らした。

　2試合連続で先制点を奪われる展開となった近大附だったが、寺師悠斗監督は今年のインターハイ予選準決勝で全国を目前にして関大一に逆転負けを喫した苦い経験から、試合前に「追いつかれて逆転されて、3発目も取られたインターハイでの経験もあったので、先にやられても慌てない。我慢してれば絶対にチャンスがくるから」と選手たちに伝えていた。

　その指揮官の言葉通り、失点後も慌てなかった選手たちは徐々にペースを掴みだすと23分、バイタルエリアでMF6廣谷郁海(3年)からマイナスでパスを受けたMF11高畑宗希(2年)がドリブルでマークを外し左足を一閃。「蹴った瞬間パワーが伝わった感触があったので入ったかな」と本人が振り返ったミドルシュートがゴール左上隅を見事に射抜いた。

　高畑のゴラッソで近大附が同点に追いつき、1-1のまま試合は後半へ。

　後半序盤は2本続けてCKから惜しいシーンを作るなど関大北陽ペース。それでもこの我慢の時間帯を無失点で凌いだ近大附は62分、前線でFW9上田泰地(3年)が献身的な守備から相手ボールを奪ってCKを獲得。その右CKをファーサイドでMF矢野晧誠(3年)が折り返したボールに「みんながブロックしてくれたから自分のところまでボールがきた」とゴール前で待ち構えていた上田が頭で合わせ、これがゴールに吸い込まれた。

　自分たちの時間帯で決め切れず、逆転を許し追い込まれた関大北陽は、65分にケガもありベンチスタートとなっていたエースでキャプテンのMF14田中悠矢(3年)を投入。しかし、それでも一度傾いたゲームの流れを変える事は出来ず、刻々と時間が経過。

　そして迎えた80+4分、近大附は「MF高下(麻実)が良いところにボールを落としてくれたので、自分で行ったら相手の前に入れた」と上田がボックスに侵入したところで倒されPKを獲得。これを上田が自ら沈めダメ押しの3点目。3-1で逆転勝利を収めた近大附が準々決勝に進出した。　

(文・写真＝会田健司)