川口青陵 vs 浦和南(写真=佐藤亮太)

 川口青陵は後半35分、 ドリブルで抜け出した途中投入のMF8野村真柊がGKと1対1の状況で冷静に流し込み、ようやく1点を返した。

 試合はセットプレーから3得点をあげた浦和南が6‐1で川口青陵に大差をつけ勝利を収め、3回戦に駒を進めた。

 キックオフ時点で気温14度。北風3メートル。5ミリの雨量。

 ひと蹴りするたびに水しぶきが舞う人工芝。転がるはずのボールは止まり、コントロールしたくてもできたものではない。ましてパスで相手を崩すなど至難の業。サッカーをするには最悪なピッチコンディション。両チームにとって、やりづらさ、このうえなかったはず。

 しかし、浦和南は会場校である地の利を生かしたといえば、それまでだが、セットプレーから3点、クロスから2点、相手のミスを見逃さず1点と、どこからでも、どんな形からでもゴールを狙い、決めた。

 ただゴールラッシュに目がいきがちだが、特に中盤の積極的な守備が光った。担保となる守備がしっかりしているからこそ思い切り、前に出ていけるというもの。浦和南の強さのヒントがここにある。

 一方、川口青陵は、前半17分、20分と立て続けに失点した以上に前半終了間際の失点がなにより痛かった。ベンチから「まだひっくり返せる」と鼓舞の声があがった矢先の3失点目。ハーフタイムには「心、折れるなよ」と叱咤の声もあった。それでも、こうした声が後半35分、意地の1点につながったといえる。

(文・写真=佐藤亮太)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選