狭山ヶ丘 vs 伊奈学園(写真=河野正)

 前半の伊奈学園はやや押され気味の内容ながら、前回大会も先発しているCB飯田智生(3年)を中心に忠実で粘り強い応対を繰り返した。攻撃面では同じく昨年も先発出場したMF野澤光、交代でピッチに立ったFW川﨑悠真(ともに3年)にボールを預け、ゴールこそ奪えなかったが、時折テンポのいい展開に持ち込んだ。

 そんなリズムの良さが後半すぐに実を結ぶ。6分に獲得し、GK柏﨑海翔(3年)が蹴ったFKだった。直接得点を狙ったような勢いのある弾道が、狭山ヶ丘ゴールに飛んできた。これを飯田がこするようなヘディングシュートを決めて同点にした。

 この後は両者譲らず互角の展開が続き、伊奈学園は野澤が2本のシュートを打って勝ち越し点を狙った。

 狭山ヶ丘は29分、右CKからCB増子雄太(3年)が強烈なヘディングシュートを放ったが、GK柏﨑の好守に阻まれた。しかしこの1分後、後半14分から投入されたMF房前颯真(3年)が、決勝点を蹴り込んで接戦に終止符を打った。

 昨年の2回戦で先発、準々決勝では交代で出場した房前は「同点で入ったので点を取ってヒーローになろうと思いました。公式戦では今年の初ゴール。去年は8強で負けたからもっと上を目指したい」と、本当にヒーローになって大喜びしていた。

 西澤監督は「前からプレスを掛けられ、うまく配給させてもらえなかった」と伊奈学園の戦法を褒めると、「今日は負傷者もいたが、次からはベストメンバーを組めると思う。今年はまとまりがあり、チームワークが持ち味です」と次戦に向けて手応えを示した。

 今春から指揮を執る伊奈学園の翠川潤監督は、「相手は試合巧者でした」と潔く敗戦を認めた。ただ短期間に守備の戦術が向上したことには満足そうで、「これから時間を掛け、また強い伊奈学園を復権させたい」とさらなる強化に取り組む強い覚悟をにじませた。

(文・写真=河野正)

▽第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選
第102回全国高校サッカー選手権埼玉予選