高知国際が高知中央を2-0で下し、初の全国まで1勝
高知中央 vs 高知国際
11月3日、第102回全国高校サッカー選手権高知予選準決勝が行なわれ、高知国際が高知中央を2-0で下して初の全国舞台まであと1勝とした。
選手権2度の出場を誇る高知西と高知南が統合され、2021年4月に開校したばかり。創部3年目ながら安定した戦いで夏のインターハイで初めて決勝の舞台を経験すると、今大会も準決勝まで勝ち上がってきた。
僅か3年で力を付けた裏には、高知西で昨季まで指導していた寺尾拓監督の存在がある。今年4月高知小津に転任したため、現在は全く関わっていないが、21年度からの2年間は高知西を指揮しながら高知国際のトレーニングにも関わっていた。校舎が同じだったこともあり、練習メニューは一緒。ともに汗を流し、チーム力の強化を図ってきた。選手たちも寺尾氏の指導を受けられるということで新設校を選んだ背景があり、高知のトップを狙えるようになるのは時間の問題だった。
高知中央 vs 高知国際
今の3年生は下級生の頃から主力で試合に出場してきた者ばかりで、経験値はどのチームよりある。そうした武器を生かしながら、今大会は順当に勝ち進んできた。その中で迎えた準決勝。フィジカルの強さに定評がある相手に対し、押し込まれる時間が続く。さらに開始1分で右サイドハーフでチームの主力を担うMF笹岡大起(3年)が負傷交代を余儀なくされるなど、必ずしも思い描いた試合展開ではなかった。だが、チームは粘り強く戦い、18分にCB岡林智也(3年)がゴールから40mほど離れた位置からFKを蹴ると、これがゴールに吸い込まれて先制点をゲット。直後の27分には得意にハイプレスがハマり、高い位置で相手CBからボールを奪い、最後はFW林錬太郎(3年)がネットを揺らした。
一気に相手を突き放すと、後半も集中力を維持して相手に付け入る隙を与えない。フレッシュな選手を次々に投入されたため、運動量では後手を踏んだが、要所を締めて得点を最後まで与えなかった。
2-0の快勝で次はいよいよ決勝の舞台。「今の指導体制があるから自分は表に出ないようにしている」と会場の運営で試合に訪れていた寺尾氏はチームの輪を大事にし、山中丈典監督と選手に直接言葉を掛けずに帰路に着いた。だが、ベースを作ってもらった恩師に対して感謝の念は誰もが持っている。恩返しをするためにも、11日の決勝は負けられない。
▽第102回全国高校サッカー選手権高知予選
第102回全国高校サッカー選手権高知予選