上越 vs 開志学園JSC

 すると56分。チームのために走り続けてきた徳丸がスポットライトを浴びる。ペナルティーエリア右手前でパスを受けると、鋭いフェイクから右足を一閃(いっせん)。相手GKが反応できなかった弾丸シュートは左ポスト内側をたたき、そのままゴールネットを揺らした。「練習していた角度だったし、相手を抜ききる前にシュートを打つのは得意な形。最高に気持ちよかった」と顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 初の決勝進出を狙う上越は終盤、主将のMF松澤煌成(3年)がペナルティーエリア内から左足シュートを放つも、開志学園JSCのGK水野功規(3年)に阻まれタイムアップとなった。

 開学園JSCの宮本文博監督は「前半のうちに追いつけたことが大きかった。厳しいゲームになることはわかっていたが、選手がよくやった。ここまで来たら疲労はもちろんあるだろうが、最後1つ。なんとか帝京長岡さんに食らいつきたい」と話した。

 MVP級の活躍を見せた徳丸はレガースに全部員、スタッフの名前を書いて予選に出場。ユニホームの下には準々決勝で負傷交代したFWイヴァニツキーレオの背番号20のユニホームを着てピッチに立った。「(レオとは)小、中、高とずっと一緒。優勝してインターハイに連れて行く」。短期決戦でのロングスロー連投にも「全然、疲れていない」と余裕の表情をみせた。

 決勝は昨冬の11月、全国高校選手権予選決勝で2-5と大敗した帝京長岡と対戦する。リベンジマッチに向け徳丸は「自分たちはチャレンジャー。試合に出られない仲間たちの思いも背負いプレーする」。仲間思いのダイナモがピッチを走り回り、優勝旗を掲げる。

(文・写真=編集部)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選