MF14樺山文代志(2年)は見事なゲームメイクをみせた

 興國は中央のMF14樺山文代志(2年)とMF6宮﨑優二(3年)がゲームを組み立て、左のFW11松元アンドリィ(3年)と右のMF10久松大耀(3年)が前線のFW13仲谷蓮斗(3年)とFW7芋縄叶翔(2年)を交えながら次々と仕掛けていく。大塚はボランチも最終ラインに吸収され、時には6枚が並びスペースを埋めようとしたが、個でも打開できる興國は大塚の守備陣を攻略する。

 4分にはCKからポスト直撃の先制パンチを繰り出した興國。12分には仲谷の見事な落としで久松が抜け出し、シュート性のボールをゴール前に送ると、これを芋縄が押し込み先制ゴール。14分には芋縄が左足で強烈なミドルシュートを突き刺し追加点。16分には仲谷がGKの頭上を抜く狙い澄ましたミドルをネットに突き刺す。あっという間の3連続ゴールで興國が3-0とリードを広げた。

 ボールを失っても即時奪還。圧倒的にボールを支配した興國は31分にも松元のドリブル突破から芋縄が決めて4点目。芋縄は前半だけでハットトリックを達成した。

ドリブル突破で切り込むFW11松元アンドリィ(3年)

 後がなくなった大塚はDFラインに近い位置でプレーしていたFW10磯田大翔(3年)を前線に上げて反撃を試みたが、それでも試合の大勢は変わらず、4-0のまま前半が終了した。

 興國は後半頭からFW9白石湊(3年)とMF17尾形祐輔(3年)を投入。すると43分、入ったばかりの白石がDFラインの裏を取り抜け出すと、後ろから猛烈な駆け上がりで中央を並走していたDF16林田空凌(3年)にパス。これを林田が難なく沈め5点目をゲットした。

 しかし、まだまだゴールを積み重ねるように思えた興國だったが、ここからは松元や久松の単独突破が目立ちだし、スコアが動かないまま時間が経過。大塚イレブンの奮闘もあり、試合はそのまま5-0で終了した。

 交代枠もすべて使いながら、5発快勝で初戦を順当に乗り越えた興國。2冠を目指す夏の王者の出だしは上々といったところか。大塚はプリンス勢を相手に後半は1失点と守備陣が意地を見せてくれた。攻撃陣では磯田と共にMF16松尾貫太(3年)が果敢にシュートを放ち、あと一歩のところまでゴールに迫った。

 勝利した興國は27日にアサンプションと対戦する。

(文・写真=会田健司)

▽第103回全国高校サッカー選手権大阪予選
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