得点こそ1点に終わったが、キャプテンのMF6福本一太(3年)が不在でも一方的に押し込めた充実感はある。「何本も決定機を外していたけど、1点入ったので選手が浮かれすぎていた」(濱田豪監督)ため、ハーフタイムには厳しく指摘されたという。エンドが変わった後半は状況が一変。後半3分にはクリアボールをFW10岡村匠真(3年)が左に開いて受けると、中に入れたボールをMF11岸本羽琉(3年)がシュート。立ち上がりにヒヤリとする場面を作られた影響もあって、後半に入ってからは思い切ってラインを上げられなくなった。

 「ハーフタイムに指示はしたのですが、上手くいかなかった。うちのやり方に相手が慣れてしまった。今思うと違うやり方を授けてあげた方が良かったのかなと思う」。そう振り返るのは濱田監督で、桃山学院は空いた中盤のスペースでボールを引き出し、攻撃に入っていく。17分には岡村のパスから途中出場MF29新澤大空(2年)がシュート。21分にも岡村のパスから、MF19谷本龍平(2年)がゴール前への侵入を図ったが、DF2藤本瞬(3年)が粘り強く対応し、シュートを打たせない。

 33分にはクリアボールからゴール前を抜け出そうとしたFW25岡野宗汰(2年)を弥榮が止めるなどDFラインの選手が集中力を切らさず対応し続け、阪南大高が1-0で逃げ切った。

 選手権予選も残るはファイナルだけ。目的地にたどり着くまでは気を緩めるわけにはいかない。「全国に行くことが目標で、そこに立つことがスタートラインだと思っている。まずはそこに立ってから、全国でも上位を狙っていきたい」。そう話すのは福本で、目の前の勝利だけを目指して戦い続ける。

(文・写真=森田将義)

▽第103回全国高校サッカー選手権大阪予選
第103回全国高校サッカー選手権大阪予選