日大豊山イレブン

 一方、成立学園はMF10坂下大介(3年)を軸にカウンターからMF9小川叶翔(1年)、FW11古橋一晟(3年)が前線に飛び出すが、いま一歩、及ばなかった。

 後半に入り、攻勢を強める日大豊山は後半20分、セットプレーからゴール中央DF5丸山修司(3年)がミドルシュート。これを成立学園DF陣が必死のクリアを見せた。守勢にまわる成立学園は後半21分、FW18大塚瑛太(3年)、FW20川﨑颯(1年)ら快足でならす選手を投入。これが効果てきめん。サイドチェンジ、スルーパスに反応したFW18大塚が裏のスペースへ執拗に相手陣内深く走り込み、チャンスメイク。試合の流れは一気に成立学園に傾いたかに見えたが押し切れなかった。

 迎えた後半33分、日大豊山、ペナルティエリア付近でスルーパスを受けたMF10葛西が冷静に流し込んで先制ゴール。これが決勝点となった。

 日大豊山・海老根航監督は「なかなか決定的なチャンスがないなか、一瞬のスキを突いてうまく得点につなげてくれました。ゴール前まで攻めこんでいましたが、決定的なチャンスはあのシーンくらいだったと思います。キチンとしっかり決めてくれました」とMF10葛西を称えた。

 そのMF10葛西は「10番でキャプテンですしゲームを作らないといけません、また自分の仕事は点を決めることなので、決めたいなとずっと思っていました」と気持ちが通じた決勝ゴールとなった。

 主将で10番、そして司令塔とあってかなりのプレッシャーを感じながらの80分間だったようだ。

 「ずっと0-0で試合が進んだので早く決めなければと思っていました。相手のセットプレーが怖かったので、セットプレーになるたびに内心、ヒヤヒヤしていました」と気持ちを吐露した。

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▽第103回全国高校サッカー選手権東京予選
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