「うちの2トップが強いのでシンプルに合わせて、相手の背後を狙いました。徹底できたのが良かったです」(宮本監督)

 「練習してきたセットプレーが強みなので、絶対に決められる自信がありました。最初の2点、取れたのはよかったです(主将DF10 松浦朔太郎・3年)」と得点はプラン通り。しかし失点は想定内とはいえ、高さとパワーに勝る日本文理に3失点。それでも競り勝てたのはメンタルの強さがあったからこそ。

 「(失点しても)気持ちが沈んじゃだめだと伝えました。そのなか2失点目、同点に追いつかれたときは、よく選手は踏ん張ってくれました。あそこで踏みとどまったのがよかった」(宮本監督)

 「(3‐3で追いつかれたとき)2年のときの自分だったらナーバスになって下を向いたと思います。でもキャプテンとして下を向いてはダメなので「顔を上げろ」「時間はまだある」とチームメイトに伝えました。(前後半が終わり、ベンチに引きあがったとき)下を向いている選手はいませんでした。スタメン全員、ベンチ全員もポジティブな声がありました。3年間、やってきたことを信じて、やるしかない、その気持ちでした」(主将MF10中村)

 メンタルの強さ、そしてチームの成熟度が伝わる。なんといっても選手権予選ここまで4試合で14得点。2試合連続のハットトリックを達成したFW9阿部。フィジカルとスピードを活かした得点シーンは目を引いた。FW9阿部は「毎試合、得点を取ると言っていたので、実際にゴールができてよかったです。後半、追いつかれましたが、自分が得点できればと思っていたので、正直、焦りはありませんでした。何回もチャンスはあったので、仕留め切れれば、逆転できると信じていました」とエースの風格が漂う一言。

【次のページ】 準決勝 開志学園JSC vs 日本文理(4)

▽第103回全国高校サッカー選手権新潟予選
第103回全国高校サッカー選手権新潟予選