立ち上がり予想外に攻めあぐねた試合に対し、国見の木藤健太監督は「そんなに緊張していたわけではなかったんですが、相手がコンパクトにしてラインを上げてくる中で、1点目を取るまでは動きが重かったかなと思います。冷静に決めるべきところを決めておけば、そんなに難しいゲームではなかったんですが」とコメント。

 「相手がハイラインで来るぶん、後ろにスペースがあったんですけど、そこをそのまま使って良いのか悩んでいたのかなと。後半に入るとき、背後へのアクションに入るタイミング、誰が狙うかというところを話したんですが、それが結果になって良かった」と続けて語り、後半の修正がうまくいった点を大勝の要因に挙げた。

 終わってみれば国見が力差を示した試合だったが、1、2年生主体でコンパクトな形から好守で積極性を示した島高の健闘は目を引いた。1人1人の献身性も高く、年明けの新人戦では組み合わせ次第で面白い存在となるかもしれない。

 一方、苦戦しながらも勝ちきった国見だが、木藤監督は「選手権予選の先は長い。まずは一歩一歩」と、おごる素振りは感じさせない。2年ぶり24度目の選手権出場を目指す国見は、静かに着実に勝ち上がりを狙っているということだろう。

(文・写真=藤原裕久)

▽第103回全国高校サッカー選手権長崎予選
第103回全国高校サッカー選手権長崎予選