試合後、藤枝東の植松弘樹監督は「ボールを握れる時間帯もあったが、なかなかゴールに迫れなかった」と苦しい展開を振り返った。延長後半の頭に投入した川口について「ボールを落ち着かせながらポイントになってくれれば」との狙いが的中した形だ。決勝ゴールを決めた川口は「ここ最近の大会やプリンスではあまり出場機会が得られなかった中で、こういう大きな舞台でチャンスをもらって、絶対ゴール決めてチームに貢献したいと思いをこめて入りました」と語り、「前を向いた瞬間に相手があまり来なかったので、最後は左足で入れるだけでした」とゴールシーンを冷静に振り返った。身長160センチほどの小柄な体ながら、「ロングシュートやロングキックは得意」と自信を覗かせる。一方、泉は「延長後半までもつれてギリギリの試合になったので、ほっとした気持ちと課題感が残っている」と複雑な心境を吐露。「ボールを持てるところは持てたが、今の藤枝東の課題である決定力、自分の最後の仕事であるフィニッシュの部分は課題が残った」と率直に語った。

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▽第104回全国高校サッカー選手権静岡予選
第104回全国高校サッカー選手権静岡予選