4強入りを決めた法政二

 だが、後半に入ると厚木北のプレスが前半よりも早くなったこともあって、試合全体に動きが出てくる。法政二は5分、武田からパスを受けた14番・杉本遼がドリブルでペナルティエリアに侵入。シュートを放ったがボールに勢いはなく、GK大森樹が難なくキャッチ。9分には右サイドで23番・根本歩がボールをキープし、その根本を追い越した小林がパスを受けて、そのままクロス。ここも大森がキャッチして事なきを得たが、厚木北ベンチは流れを変えるために近藤を下げ、19番・樋口翔大をピッチへ送る。この交代により、厚木北は戦術を変え、法政二の最終ラインの裏側へロングボールを蹴り込むが、なかなかチャンスをつかむことができない。

 すると20分、法政二はドリブルで前に上がろうとした小林が足をかけられFKを得ると、武田がゴール前へロングパス。GKが出てくるが上手く処理できず、混戦になったところで16番・山下信太郎が正面から蹴り込み、ゴール。貴重な先制点を挙げる。

 反撃したい厚木北だが、近藤を下げたことでボールがつながらず、再びロングボール頼みの戦術になってしまったことから、31分には二枚替えで7番・荒井稜と9番・綾田圭悟をピッチへ。すると、すぐに綾田のドリブルから左サイドの荒井にパスが出てグラウンダーのクロスが入るが、法政二のDF陣もスライディングしながらの必死のクリアでシュートまで行かせない。

 残り10分を切っても、どちらに転ぶか分からない熱戦。しかし、その行方は無情にもミスで決してしまった。35分、DFとGKの間に蹴り込まれたボールに対し、2人ともボールに反応してしまった厚木北。DFが蹴ったバックパスは前に出てきたGKの足元をすり抜け、そのままゴールへ。痛恨のオウンゴールにより2点差となると、法政二は相手陣でボールをキープ。危なげない締め方で厚木北を2対0で破った。これで4強進出を決めた法政二、準決勝は相洋と顔を合わせるが快進撃はどこまで続くか。

(文・写真 大平明)