両者ぶつかり合う形で、中々ボールが落ち着かない展開が続く。前半15分以降、國學院久我山がボールを持ちながら、MF名倉が中でボールを引き出して、チャンスを作り出すもゴールまで行けず。対する帝京はMFランドリックの右サイドのタメとDF青柳のオーバーラップ、MF中瀬の裏への抜け出しでチャンスを作る。前半37分、國學院久我山右サイドからボールを受けた名倉が遠目からシュートを放つもこれはキーパーがしっかりキャッチ。続いてFW澁谷の的確な右サイドからのクロスにFW金田が合わせるも、これはバーに当たり跳ね返される。前半終了間際のチャンスを國學院久我山は活かすことが出来ず、このまま前半終了。

 後半開始と共に両者1点目を奪いに行く。後半2分、國學院久我山の澁谷がワンツーで中に入って行き、絶妙なスルーパスをMF高橋に出すもこれはオフサイド。後半3分、帝京の中瀬がミドルを放つもGKがセーブする。そして迎えた後半12分、遂にゲームが動く。帝京のカウンターからMF遠藤が左サイドからクロス。これに中瀬がしっかり中で合わせゴール。帝京が1-0とリードする。

 何としても追い付きたい國學院久我山の猛攻がここから始まる。エース澁谷にボールを集め、右サイドでの駆け引きを中心にゴールに迫っていく。後半26分、その澁谷の右サイドからのクロスでチャンスを迎えるも、これは中が決めきることが出来ない。その後も、昨年度の全国準優勝校の國學院久我山はゴールに迫るもゴールネットを揺らすことは出来ず0-1で敗れ2次予選1回戦で敗退となった。

 伝統と誇りを賭けた一戦は、数少ないチャンスを活かした帝京前回大会Bブロック決勝(レポート)のリベンジに成功し、次戦にコマを進めた。一方、國學院久我山は独自のスタイルに今いる選手に適した変化を加え、果敢にチャレンジするも2次予選1回戦で早くも姿を消した。

(文・写真 石津大輝)