一方、前半の埼玉平成は思うようにボールを回せず、印象に残った場面といえば、24分のMF山崎のミドルシュートぐらいで、この場面も西武台のGK高麗のナイスセーブによりゴールを割ることはできなかった。

 後半開始直後は埼玉平成が積極的に前へ仕掛ける。1分、ゴール正面でパスを受けたMF山崎がDFをかわしてシュートするが、またもやGK高麗がナイスセーブ。埼玉平成はこの流れでコーナーキックを2度連続で得るがシュートには至らない。
 すると、西武台は4分、FW山口がポストの位置にいたMF丸山にパスを出すと、丸山はダイレクトでヒールパス。ペナルティエリア内に走り込んできたFW田中がボールを受け取るとゴール右寄りからファーサイドへ冷静に流し込み2点目。鮮やかなパスワークで西武台が追加点を挙げた。
 これで埼玉平成は意気消沈してしまったか、試合は完全に西武台のペースに。12分にはFW山口のパスを受けたMF丸山が左サイドからマイナス方向へグラウンダーのクロス。FW田中がスルーするような形になり、後ろにいたMF岩本がシュート。しかし、このボールはクロスバーを叩いてゴールの外へ。惜しいチャンスを逃した西武台だが、15分にはMF今井のコーナーキックにDF美川がニアですらしたボールがDF相葉に当たって、そのままゴールイン。27分にもDF相葉がFW田中とのパス交換で左サイドを抜け出すと、埼玉平成DFが必死に伸ばした足に当たったボールがFW山口の前へ。これをしっかりゴールへ蹴り込み4点目。
 その後も主導権を渡さなかった西武台。最後は埼玉平成のFW大河原雄一朗がロングシュートを放つが、途中出場のGK恩田大輝がしっかりキャッチし試合終了。
西武台が経験の差を見せつけ、4対0で埼玉平成を破りベスト4進出を決めた。

(文・写真 大平明)