後半に入っても高橋の勢いは止まらない。同3分には田畑拓武の右クロスを巧みにスルーし、中上黎士のゴールをお膳立て。同12分に相手が退場を出して数的優位になった後も、猛然とゴールへと向かっていく。正確な技術を生かしたクリエイティブなプレーに得点への執着心。最後までプレーの質は衰えず、相手の脅威となった。29分に済美の鈴木高太に1点を返されて迎えた同33分には、PA内でGKを交して角度がなくなるも、巧みにターンをして左足でループシュートを放つ。これが試合を決定付けるチームの4点目となり、終わってみれば2ゴールだけではなく全得点に絡む大車輪の働きぶり。「本当に全国大会の舞台に出たかったし、勝ちたかった」という高橋は、初めて挑んだ全国大会でまずはその名に恥じない活躍ぶりでチームを2回戦に導いた。明日のゲームでも薩摩のファンタジスタから目が離せない。

 

(文・写真 松尾祐希)