拮抗した展開となれば、1点の重みが増すのは言うまでもない。その中でこれぞストライカーという働きを見せたのは、やはり長崎総科大附の安藤だった。前半23分にゴール前で中村聖鷹が西原に縦パスを付ける。ここから巧みに反転して安藤にラストパス。尚志の守護神・宗像利公も前に飛び出し、シュートコースを塞ぎに掛かったが、「パスを受けた時点でシュートまでのイメージが出来ていて、GKを交わせば入ると思った」と言う10番は全く動じない。難なく交わし、無人のゴールへと蹴り込んだ。

 好機を逃さなかったエースの一撃で先手を取ることに成功した長崎総科大附。その後は暑さの影響もあって運動量が落ちた。しかし、球際の強さを生かした守りで尚志の攻撃を封鎖。セカンドボールへの反応も早く、アタッキングサードに敵を侵入させない。名将・小嶺忠敏監督率いる長崎王者は安藤のゴールを最後まで守り切り、初のベスト8進出を決めた。

 

(文・写真 松尾祐希)