前半を終え1点リードのかえつ有明は、後半開始と同時にFWを代え、前線のポジションチェンジで追加点を狙う。後半開始早々の51分、左サイド16番・藤枝友仁のクロスにファーサイドで合わせたのは後半開始からピッチに立った14番・小田拓海。ベンチの交代策がすぐに実を結び、追加点を奪うとその勢いは止まらない。56分、スルーパスに抜け出した星野熙暉が右足で決めて3点目。58分にはまたも小田が決めて4対0とリードを広げた。

 立て続けにゴールを許した都立東大和は、中盤でのボールに対する寄せの甘さが目立った。足元の技術に長けるかえつ有明の攻撃陣にスペースを与えすぎている状況も明らかで、守備面で多くの課題が浮き彫りとなった試合になってしまった。

  守備に追われる状況が続き、疲労が色濃く映る都立東大和南の中でなんとか一矢を報おうと10番、19番が献身的な動きを見せるが、大量リードにも気の緩みを見せないかえつ有明の守備陣を崩すことが出来ず。結局この試合では一度もゴールネットを揺らすことは出来なかった。

 4点リードしながらも貪欲にゴールを狙い続けるかえつ有明は62分、カウンターから右サイド14番・小田拓海のクロスに攻撃参加した左SB・高田岳空が合わせて5点目。65分にも、右サイドを抜け出した仲野哲也の御膳立てから星野熙暉が難なく決めて6点目のゴールを奪った。

 その後も2番・平子直樹のPKなどで3点を追加し、9対0としたかえつ有明の圧巻のゴールラッシュを締めくくったのはこの試合で躍動した攻撃的MFの2人、小栗健太と仲野哲也のトリックプレー。後半アディショナルタイム、ゴール前中央でFKを獲得すると、仲野が直接狙うと見せかけ壁の上をふわりと浮かす技ありのラストパス。そこに走り込んだ小栗がGKとの1対1を落ち着いて制して10点目のゴールを決めた。

 最後までゴールを狙い続けたかえつ有明は攻撃陣の決定力も光り、10対0の圧勝。今後のTリーグ、さらには選手権予選に向けて大きな手ごたえを掴む勝利となった。