「慌てるな」、「全体を見て落ち着いて展開しろ」とベンチからの指示が飛ぶ日大二は後半も前半同様、しっかりとした守備から攻撃時にはロングボールを多用。劣勢の状況を打開しようと、50分には疲れが見えたFW土田龍矢に代えてMF山村英守を投入。フレッシュな選手を起用し攻撃の糸口を探ると、57分にはMF松澤完がロングシュートを狙うなどチームの積極性にも拍車がかかる。

 対して1点リードの実践学園は後半に入っても攻撃の手を緩めない。前半に増して右DF黒石川瑛、左DF深城壮太の両SBの攻撃参加によって厚みが加わり、選手交代、あるいはそれに伴うポジション変更で好機を探り続けた62分、待望の2点目。左DF深城壮太からくさびの効いた縦パスが前線に収まると、FW野崎航大、FW丸田健太郎が絡んで最後はDF黒石川瑛。前線にポジションを移していたユーティリティプレイヤーがゴール前で上手さを見せ冷静に流し込む。リードを広げる殊勲のゴールで実践学園が勝利を手中に収めた。

 2点ビハインドもなお最後まで走り続け、格上相手に堂々たる戦いぶりを見せた日大二イレブン。試合終了間際のCKではGK野田大翔がゴール前に上がる執念も実らず終戦。大会初戦を勝利で飾った実践学園は、試合内容にやや不満足さも感じさせたが、3年ぶりの全国出場へ向け、幸先良い船出を切る結果となった。

(取材・文=金子 侑史)

▽大会日程・結果
2015年 高校サッカー総体(インターハイ)東京都

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