良い形で前半を終えた実践が後半に入ると流れを引き戻す。9分にスローインから10番武田義臣が右サイドからクロスをあげると中央フリーで待ち構える6番北條滉太がボレーで狙うがゴール上へ外れる。15分にも実践学園が左サイドでボールを回し、中央の5番浦寛人へ。強烈なミドルを放つがこれはGKが防ぐ。帝京も20分にこぼれ球に右SB2番中村祐隆のミドル。こちらもGKのセーブに合い得点とはならず。実践学園は両サイドがワイドにポジションを取り始め10番武田義臣がDFとMFのギャップでボールを納める回数が増え、ゴール前へ迫る回数が増えていく。対する帝京は苦しい時間が続くがDFラインの踏ん張りからカウンターを狙いにいくが、思うような形でボールを運ぶことが出来ない。試合はそのままスコアが動かず延長戦へ突入する。 延長前半8分。後半途中から投入され、縦へのドリブルとサイドアタッカー特有の持ち方からクロスで幾度もボールを配給していた右サイドの14番大関友貴が低く速いクロスをニアサイドへ送るとDFの前に走り込んだエース10番武田義臣が上手く合わせて逆転に成功する。追い付きたい帝京は高さのある赤井裕貴を投入するが実践学園の体を張ったDFにより得点とはならず。前半の課題を克服し、交代策がはまった実践学園が全国を懸けた決勝へ駒を進めた。
( 文・佐々木竜太 写真・石津大輝)