ファーストシュートは成立学園。前半6分、11番窪田稜が裏へ抜け出たこぼれ球を13番高木健匠が拾いミドルシュートも枠の上。その後も成立学園はコーナーキックから5番照山颯人のヘディングシュートなどでチャンスを作る。シュートチャンスも助け、先にゲームへ入れたのは成立学園の方か。徐々にロングボールは減り、得意のディフェンスラインからのショートパスによるビルドアップで相手を引き出していく。一方、関東一はセットプレーなどを皮切りに徐々に相手コートへ攻め込みリズムを作る。前線からの組織立った守備で成立学園にスキを与えない。中央を崩したペナルティエリアからのシュートは互いに0本。スコアが動くことはなく、前半は0-0で折り返す。ボールポゼッションはやや成立学園に偏りを見せる。

 後半も互いに譲らない展開が続くが、最初にビッグチャンスを作ったのは関東一。後半15分、中央右をドリブルで運んだ11番重田快から左へスルーパス。走りこんだ9番村井柊斗がGKと1対1になるも切り返し、シュートは戻ったディフェンスに当たりゴールならず。その後も膠着した状態が続いたがついに試合が動く。

 同34分、中央をドリブルで粘った9番村井柊斗が相手を引き付け中央やや右の11番重田快へラストパス。ワントラップから落ち着いて右足を振り抜きゴールネットに突き刺す。一番欲しい時間帯でのゴールに関東一イレブンは喜びを爆発させる。同37分にも同じような形で11番重田快のチャンスも、今度はゴール上に外れる。ラストチャンスに賭ける成立学園はロングスローやGKも交えたコーナーキックでゴールを狙うも、1点が遠く無情にもここで終了のホイッスル。関東一が関東、インハイ、選手権と3冠を達成し全国の切符を手にした。

( 文・甲斐雅人 写真・石津大輝)