インターハイ1回戦、「市立船橋(千葉②)vs岡山学芸館(岡山)」。立ち上がりに主導権を握ったのは岡山学芸館だった。球際のところで激しさを見せ、こぼれ球を自分たちのモノにしていった。ただ、前半15分を過ぎると市立船橋が反撃を開始。右SBのDF古屋誠志郎がサイドハーフを追い越した位置にポジションを取り始め、攻撃のリズムを作った。右サイドで起点を作ると、FW高宇洋、FW永藤歩という『イチフナ』の誇る強力なアタッカーがゴール前で決定機を演出。同18分にはDF杉岡大暉が最終ラインから持ち出すと、ゴール前にスルーパスを送る。裏に抜け出した永藤が右足でゴールを狙いすまし、右足でシュート。岡山学芸館・主将GK岡崎修也のスーパーセーブに阻まれたが、徐々に相手ゴールへと迫っていく。すると、同25分に市立船橋待望の先制点が生まれる。古屋の右CKを中央でDF白井達也が囮になり、ボールはファーに構えるMF原輝綺へ。これを慌てることなく右足で流し込んだ。

 先制点を奪い、試合の主導権を完全に握った市立船橋は永藤のスピードを活か攻勢を仕掛ける。同35+1分、左サイドからDF杉山弾斗がロングボールをゴール前に入れると、永藤が裏へと抜け出す。慌てることなく右足でフィニッシュにいったが、DF祝由哉に阻まれ追加点とはならず。「永藤は最後まで相手の脅威になっていた」と朝岡隆蔵監督が話すように、岡山学芸館の足が止まり始めた後半は永藤のスピードがさらに活きる。同21分にはGKとCBの間に出た五分五分のボールに背番号10が反応。抜群のスピードでマイボールにすると、たまらずDF野島奨が倒してしまいPKを獲得する。これを主将MF椎橋慧也がきっちり決め2−0。直後の同22分にFW西山敢太のゴールで1点を返された。それでも、同24分にPA内で途中出場のMF工藤友暉が倒されたPKを自ら決めて再び2点差。試合終盤に途中出場DF平野智大の超ロングスローで、岡山学芸館が攻勢を強めた。しかし、集中力を高く保った市立船橋が逃げ切り、2年ぶりの優勝に向けて好スタートを切った。

(取材・文・写真 松尾祐希)