プレーヤーにとって高校卒業後の進路選択はその後のサッカー人生を左右する一つの分岐点。それぞれが高校サッカーの3年間を糧に新たなステップへと環境を移す。夢のJリーガーとなって日本最高峰の舞台へと進む者、4年間での更なる成長を期待し大学への進学を選択する者、あるいはその他の道を選択する者もいるかもしれない。高校サッカードットコムでは2014年シーズン高校サッカー界の主役を担った選手たちの進路を追った。今回は第2弾、「高校→大学」編。

【vol.2「高校→大学」】
 これまで比較的大成しにくいと評されることが多かった大卒プレーヤー。過去の日本代表選手達を見渡しても大卒プレーヤーが高卒プレーヤーよりも断然少ないのは間違いない。それでも近年、大卒プレーヤーを取り巻く環境は変わってきた。大卒Jリーガーの増加が著しく、ユース時代に所属していたチームに、大学での4年間を経て再び入団するというパターンが増えているのである。

 2014年シーズン加入の選手を見てみれば、大津から筑波大学を経て川崎フロンターレに入団した谷口彰悟や佐賀東から同じく筑波大学を経て鹿島アントラーズで活躍する赤崎秀平、そしてなんといっても慶應義塾大学に在学しながら日本代表にも選出され話題を呼んだ武藤嘉紀はその代表格。武藤は高校時代をFC東京U-18で過ごしており、前述の“出戻り”パターンだ。いずれも在学中から特別指定選手としての枠が与えられながら、1年目から即戦力としてチームに貢献した選手である。

 大卒ならではのメリットは選手にとってよりレベルの高い環境で4年間の強化が加わると同時に、引退後の人生設計でも大きな意味を持つ。プロチームにとっても即戦力の獲得が期待できる点でメリットがありそうだ。

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