本格的な新チーム始動が目立つ高校サッカー界。高校サッカードットコムでは新シーズンに飛躍を見据える全国の強豪校を紹介する。

【vol.31流通経済大柏(千葉)】
 ユニフォームの左胸には全国制覇の数を表す4つの星が輝く。選手権、高円宮杯全日本ユースの2冠に輝いた2007年を皮切りに、2008年の総体初制覇、2013年のプレミアリーグチャンピオンシップ初制覇と目覚ましい実績を収め続ける流通経済大柏。名将、本田裕一郎監督のもと高校サッカー界を牽引する強豪は新シーズン、再び日本一へと走り出す。

 過去4度の日本一の実績と、FC東京への入団となったDF小川諒也ら圧倒的なタレントを誇って挑んだ2014年、昨冬選手権での4強が記憶に新しいものの、シーズン序盤は総体の敗退に象徴されるようにチームは多くの課題を抱えた。クオリティは高い選手が数多く揃いながらも、チームとして攻守のバランスを欠く。総体予選では習志野に敗れそれまで11年続いていた全国連続出場が途切れる結果となった。

 しかしこの敗北を機に、チームはトーナメント仕様に生まれ変わる。主力選手のポジションチェンジを敢行し、攻撃においてポゼッションよりも縦への速さを追求するサッカーを展開。そのスタイルは徐々にチームに浸透し、選手権予選を通してより完成度の高いものへと進化を遂げる。千葉県予選決勝で市立船橋相手に演じた大逆転劇はまさに追い求めていたサッカーがはまった形での勝利。2点ビハインドから後半の3ゴールで最強のライバルを下し、4年ぶりの千葉王者に輝いた。

【次のページ】 激戦区を勝ち抜いた千葉王者の快進撃は全国でも続く。