現役時代の山口慶さん

 今回、茨城県神栖市波崎で開催された「第1回高校サッカードットコム杯」の運営に関わらせていただいた、昨年末、プロサッカー選手を引退した山口慶です。

 この大会は高校サッカー部、ユースチームで公式戦への出場機会が少ない選手への実践の場として、トップチーム以外の選手を対象とした大会で第1回の今年は16チームが参加し、2泊3日の合宿形式で行いました。

 高校生の年代で、トップチーム以外の選手を対象と謳った大会は珍しく、こういった大会が重要だと改めて実感しましたし、現場の方々からも感謝の声をいただけたのは嬉しかったです。

 各チームによって状況は違いますが、グラウンドが1面しかなく、マンモス高校は朝練習しかできない学年があったり、満足に練習や試合ができないという状況があるなか、この大会をキッカケにチャンスをつかんだり、成長していく選手が出てくればと願っています。

 大会期間中の3日間、どの選手も生き生きとプレーをしていたのが印象的でした。また、大会を通して何よりも強く感じたのは、やはり選手達はサッカーが好きで試合がしたいという思いが強いことです。

 選手のプレーを見ていると、中には今後、トップチームに昇格するのではないかと思う選手もいました。ただ、全体的には荒削りなプレーをする選手が多かったので、今後は基本トレーニングやボール回しなどを繰り返し練習を真剣に取り組めば、絶対にプレーに自信がつき、試合の中でのプレーにもつながると思います。是非、毎回のトレーニングを真摯に取り組んでもらえたらなと思います。また、個人戦術をもっと高めてチームに落とし込んでもらいたいと思います。自分自身が成長するために、どんどん貪欲に上を目指して頑張ってください。

 そして、今大会を通じて改めてこういった合宿形式での大会の重要性を感じました。仲間意識が生まれたり、他のチームの選手から刺激を受けたり、もっとやらなければいけないと感じた選手たちも多かったと思います。自分もこういった経験を積みながら仲間を作ってきたので、サッカーのプレーの向上だけでなく、仲間との大切な時間を過ごしたことも忘れないでほしいです。試合に勝ってみんなで喜んだり、悔しがったり、本気で言い合ったりと、そういった姿を見て、こういった大会を開催することができてよかったと改めて思いました。

 今大会の決勝戦はSC相模原と国士舘高校というカードになり、SC相模原が3-0で初代チャンピオンに輝きました。決勝はもちろん、大会を通して子どもたちがはつらつとプレーしていているのを見て、こういった機会をこれからもどんどん作っていきたいと思いましたし、それができればサッカー界全体の底上げにもなり、子どもたちがサッカーを、Jリーグをもっと好きになってくれるのではと感じた大会でした。

優勝チーム:SC相模原ユース山口貴之監督コメント
第1回 高校サッカードットコム杯に参加し、優勝することができ、暑い日、土砂降りの雨と様々な天候の中、選手はよくハードワークしてくれて嬉しかったです。我々、SC相模原ユースはまだ立ち上げたばかりのチームですので、この大会を通じ、今後に繋げていければと思います。

山口慶氏
名古屋グランパスでは170試合に出場。下部組織出身者では初めてのJ1通算100試合出場を果たした他、移籍したジェフユナイテッド千葉でも2014年に引退するまでに100試合出場。名古屋グランパスエイトの選手会会長や日本プロサッカー選手会副会長を歴任するなどピッチ内外で活躍

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