元・鹿島アントラーズ(現・HBO東京)佐々木竜太さんが各地のサッカー部を訪問する新企画「オレたちを見に来い!」
 今回は埼玉平成高校サッカー部に行ってきました。
 埼玉県南部、東武越生線の川角駅からすぐそば、自然豊かな所にある学校です。人工芝の新しい綺麗なグラウンドが目にも鮮やか!さらに、昨年から元Jリーガーである浦田尚希さんが監督に就任。みんなで力を合わせてこれまでの最高戦績、埼玉県内ベスト16を超えようと日々練習に励んでいます。

 まずは浦田監督にお話を伺ってみましょう。浦田監督は川崎フロンターレ、ヴァンフォーレ甲府でプレー。その後、サッカー指導者の道を進み、2011年度からは駿台学園サッカー部の監督としても指導されていました。埼玉平成高校サッカー部監督には2013年度から就任。2年目を迎えた今期はどんなチームを作っているのでしょうか?

浦田尚希監督(左)

――チームを率いて2年目となるわけですが、どんなチームを目指しているのでしょうか?

浦田尚希監督(以下「浦田」):技術的に能力が特に高いということは無いのですが、一生懸命やる生徒が多いので、ひたむきに頑張って勝利をつかむようなチーム作りをしています。素直な子たちで、言ったことに対しては響いてますね。

――プロでやっていた経験なども伝えているんでしょうか?

浦田:そうですね。自分が経験したことっていうのは、ためになっているので。プロでもそうでなくても、勝負に対するアプローチの仕方は変わらないと思うんです。ですから、『戦うっていうのはこう言う事。勝つためにはこうした方がいい』っていうのを明確に伝えられていると思います。

――練習は何を重要視していますか?

浦田:これは自分のサッカー指導の根本なんですけど、まずはサッカーを楽しくやること。これがまず最初にありきですね。
それで、サッカーの具体的なところだと体の使い方を重視してます。フィジカルコーチを入れたりして、他ではやっていない事をやって差をつけて、うちの武器にしたいと取り組んでいます。基本的にストレッチから始まって、股関節や骨盤をしっかり動かせるように体を作り上げてからトレーニングをしています。自分も現役の頃、股関節や骨盤の動かし方を意識することでだいぶ変わりましたからね。

――なるほど。こういうところにも経験が活きているんですね。そうするとスタッフの方は全部で?

浦田:私含めて教員が3名とGKコーチ、フィジカルコーチの5名ですね。それで80名の部員を2チームに分けて見ています。今日はトップチームの30名ほどですね。

――綺麗な人工芝のグラウンドですが、普段は女子サッカー部と半分ずつとのこと。そこで30名を見るのって難しくないですか?

浦田:特に苦労はしてないですね。工夫すれば大丈夫。もともと東京の学校(駿台学園)にいて100名以上を指導していたので、広さは気にならないです。全面つかえた方が良いのは間違いないですけど、これだけあれば、やりたいことはある程度出来ていますね。

――今年の目標は

浦田:生徒たちが考えたんですけど、今年はベスト8に入ろうと。今まではインターハイでのベスト16が最高です。そこからの壁というのは高くて…。でも、だからこそ今までの埼玉平成の壁を破ろうとしています。ベスト8以上になるとテレビ中継もあるので、そこも目標にしていますね。

――確かに中継されると燃えますね。ちなみに注目選手を伺っても良いでしょうか?

浦田:キャプテンもやってる仲谷勇磨ですね。とにかく足が速い。しかも速いだけじゃなくて体力が物凄いある。外に走りに行っても、大学行ったら箱根駅伝とか、そっちのほうが開花するんじゃないかってほどなんですよ。走り回るサッカーに欠かせません。頑張ってほしいですね。

浦田監督、ありがとうございます!では、仲谷キャプテンに話を…
と、その前に、キャプテンについて情報収集!チームを良く知るマネージャーさんに取材します。野崎ちひろさん、2年生です。

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