2015年の高校サッカー界、その主役へと躍り出たのは紛れもなくこのチームだろう。総勢270名を越える部員が日々切磋琢磨を繰り広げる“赤い彗星”こと東福岡は夏の総体を制すと、冬の選手権でも戴冠。公式戦52戦無敗の記録を打ち立て、史上最強と謳われた1997年以来の夏冬連覇を達成した。MF中村健人、FW三宅海斗、GK脇野敦至らが名を連ねたチームはトーナメントコンペティションのみに限らず、リーグ戦においても強さを発揮。群雄割拠のプレミアリーグWESTでは2位につける好成績を収めシーズンを終えた。

　選手権優勝の余韻がいまだ残る約1週間後、2016年シーズンは早くも開幕。新人戦福岡県大会初戦、新エースとして期待されるFW佐藤凌我のハットトリックなどで大勝を収め、幸先良いスタートを切れたのではないか。その佐藤に加え、MF藤川虎太朗、MF鍬先祐弥、DF小田逸稀、DF児玉慎太郎と好選手が揃う来季、全国覇者は連覇を見据え歩みを進める。

▽2015年主なシーズン戦績
リーグ戦：プレミアリーグWEST2位
総体：全国優勝
選手権：全国優勝

▽2015年ピックアップゲーム
第94回全国高校サッカー選手権決勝　vs國學院久我山（東京）
観戦記事：「最弱から最強へ！東福岡280名でつかんだ夏冬2冠！」

▽2015年ピックアッププレーヤー
【MF藤川虎太朗】
　サガン鳥栖U-15から東福岡の門戸を叩き、2015年は2年生ながら主力を担った。総体では5ゴールを挙げて得点王に輝くと、負傷の影響で準決勝からの出場となった選手権でも2戦2ゴールの活躍。MF中村健人から“ヒガシの10番”を受け継ぐ2016年シーズンも要注目のプレーヤーだ。