連覇達成の東福岡

 今夏も間もなく開幕を迎える、真夏の日本一を決める全国高校サッカーインターハイ。開幕を前に灼熱の兵庫で行われた前回大会を振り返る。

赤い彗星”東福岡が2連覇
 17年ぶりの日本一に輝いた2014年度の大会から1年、“赤い彗星”の異名をとる全国屈指の名門東福岡(福岡)は再び全国の頂点まで登り詰めた。

 MF中島賢星(現・横浜F・マリノス)、MF増山朝陽(現・ヴィッセル神戸)らが活躍し、全6試合で26得点を叩き出した2014年のチームとの比較では劣る部分があり、加えて他チームの台頭も顕著であったことからも連覇には黄色信号が灯っていた印象。それでも、そんな見立てを東福岡イレブンは見事に覆して見せる。

 快進撃のスタートは初戦となった2回戦の四日市中央工(三重)戦。MF森島司(現・サンフレッチェ広島)やMF小林颯を擁した難敵との一戦をMF三宅海斗、MF中村健人、FW餅山大輝、MF藤川虎太朗の4ゴールで制し、最高の船出を果たすと次戦以降、日大藤沢(神奈川)、履正社(大阪)、立正大淞南(島根)と錚々たる強豪を連破。迎えたノエビアスタジアム神戸でのファイナルでは、市立船橋(千葉)と繰り広げた激戦をPK戦の末制し優勝カップを掲げた。

 前回大会で奪った得点は、2014年大会よりも試合数が1試合少なかったとはいえ13得点とちょうど半分。それでも、引いた相手を崩す組織的かつ完成度の高い中盤を基盤とした攻撃で着実にゴールを重ねた。背番号10を背負った主将MF中村健人、大会得点王に輝いたMF藤川虎太朗が形成する2シャドーと、不動のアンカーを務めるMF鍬先祐弥の3人が中核となり、MF橋本和征、MF毎熊晟矢、MF三宅海斗らがサイドアタックを担う。全試合途中出場ながら3ゴールを挙げ、スーパーサブとしての役割を全うしたFW餅山大輝もフィニッシャーとして高い貢献度を示した。

 そしてもちろん守備陣への称賛も忘れてはならない。世代別日本代表に名を連ねるGK脇野敦至を最後方に据え、DF福地聡太、DF小田逸稀らが並ぶ4バックはチームに安心感をもたらすプレーを継続した。

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