2年生にして名門・市立船橋の10番を背負う(写真=多田哲平)

 郡司は、長兄・篤也(元・市立船橋)、次兄・克翔(元・尚志)に次ぐ三男。JSC CHIBAを卒団後、長兄と同じように名門・市船の門を叩くと、1年次の昨年から出番を掴み、U-16日本代表候補にも選ばれた。

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 その確かな技術、落ち着き、ポジショニングセンスは非凡。習志野の金子大助監督も「一番警戒していた10番の郡司選手にやられてしまった。凄い選手で、あそこに走ってくると分かっていたんですけど、それでもやられてしまいましたね」と、その実力に舌を巻く。

 そんな郡司が抱くのは「自分が絶対決めてチームを勝たせる」という並々ならぬ覚悟だ。それはサッカーを始めた頃から自然と持っていた。「何かきっかけがあったわけではなく、小さい頃からずっと点を取ってチームを勝たせたいと思っていた」という。ポルトガル代表のクリスチアーノ・ロナウドに憧れる理由も、「とにかく強くて、シュートで試合を勝たせられる」からだ。

 そして、その覚悟は当然、今も強い。

 「自分が絶対決めて、このチームを全国にいかせる」

 そんな不変の覚悟を持つストライカーに対して波多秀吾監督も期待を隠さない。

 「彼にはチームを勝たせるような選手になってもらわなければ困りますし、そういう仕事を毎試合やってもらわないといけない。そうでなければ、次のステージにいくことはなかなか難しい、通用しないぞと、そういう話もしているので、彼も決定的な仕事は意識してやってくれているんじゃないかなと思います」

 その期待の表われが背番号10なのである。

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▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)千葉予選
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