市立船橋は全国出場をかけて決勝に臨む(写真=多田哲平)

 テンポの良いパスで試合の主導権を握りながら、リスク管理を徹底し、流動的なプレスで相手の攻撃の芽を摘む。八千代とのラウンド16(2-1)、中央学院との準々決勝(6-0)、そしてこの習志野戦では、いずれも試合巧者ぶりを見せてきた。波多監督が初戦の八千代戦後に今大会のテーマとして挙げていた「安定感」が生まれているのは確かだ。

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 もっとも、その安定感が一番求められるのが、決勝である。相対する日体大柏は準決勝で、市立船橋と同じプレミアリーグEASTに所属する流通経済大柏を3-0で破って勝ち上がってきた。全国出場の切符をかかる重圧を受けながら、その勢いのある相手に対して上手く試合を運べるかは、勝敗を分ける大きなポイントとなる。

 だからこそ指揮官に慢心はない。「まだ、ところどころ、1プレー1プレーで細かな判断ミスや、やってはいけないミス、流れが変わりそうなミスがあるので、そこは注意しなければいけない。もちろん、やれている部分、発揮できているものもあるので、そこは高く評価しながら、次に向けてやりたいですね」と気を引き締める。

 見据えるのは全国制覇。「決勝ということもそうですけど、とにかく全国に出場するというところ。我々の大目標である日本一というところに向けて、まずはその出場権を獲得するのは最低限のノルマ。明日のキックオフまで時間がないですけど、最大限しっかり準備したいと思います」

 決勝戦は準決勝の翌日とあって、習志野に勝利した直後、波多監督は選手全員に声をかけ、すぐにアイスバスなどのケアを促していた。そうした姿勢からも決勝に向けた準備に余念がないことが伝わってくる。

 全国まであと1勝。指揮官そして市立船橋の選手たちは、万全の状態で日体大柏を迎え撃つはずだ。

(文・写真=多田哲平)

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