前橋育英は聖和学園を下して準々決勝に進出(写真=多田哲平)

 「一番最初に電話があったのが磐田東の(山田智章)監督で。『耕介さん、実は……。申し訳ない』と。磐田東の選手たちがみんな『前橋育英とやるんだ』と楽しみにしていたことも聞きました。

 ですから今日のチームミーティングでは選手たちに、『今日の試合(聖和学園戦)の一番のポイントは、磐田東の選手たちのためにということだ。彼らのために、お前たちは力を発揮して恥ずかしくないプレーをしなければダメだろう』と、そういう話はしました」

 磐田東の山田智章監督とは旧知の仲。山田智章監督が樋口士郎氏(元・四日市中央工監督/現・ヴィアティン三重トータルアドバイザー)とともに、現在のサガン鳥栖の前身であるPJMフューチャーズでプレーしていた頃からの付き合いだという。それだけに、全国の舞台での対戦を、ともに心待ちにしていたはずだ。

 叶わなかった全国での対決、そして磐田東の選手たちの無念……。堂々と3回戦を勝ち抜き、準々決勝へと駒を進めた前橋育英の選手たちは、そうした想いを背負っていたのである。

(文・写真=多田哲平)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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