成城戦では守備をそつなくこなしつつ得点も(写真=多田哲平)

 CBで先発した塚原は、相手のロングキックをことごとくはね返しながら、広範囲にわたって素早いカバーリングもこなした。さらに左足の正確なフィードで攻撃の起点となれば、37分にはMF吉年穣(3年)が上げたショートコーナーに豪快なヘディングで合わせてゴールを奪ってもいる。

【マッチレポート】堀越 vs 成城

 「折り返しの選択肢も頭にあったんですけど、セットプレーの練習で点を取っていたし、ゴールが欲しい気持ちもあったので、勢いよくボールを打ったらそのままゴールに入りました。嬉しかったです」

 そうゴールシーンを振り返った塚原だが、一方で反省も口にする。

 「カバーリングとかのディフェンス面に関してはまだまだです。危ないシーンもあったので、もっと徹底してやっていきたいです。ビルドアップの面でも、トラップやパスとかの細かい部分は全然なので、もっと練習してミスをなるべく少なくしないと」

 攻守に充実のパフォーマンスを見せても決して満足することはない。飽くなき向上心こそ塚原の最大の武器である。

 チームを率いる佐藤実監督は塚原を以下のように評す。

 「左足で蹴れるCBは少ないですし、なにより彼は頑張って積み上げてきた選手。去年は試合に出られていませんでしたけど、努力を重ねてきてポジションを取って、みんなの信頼を勝ち得てきた」

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