東山のキャプテン新谷陸斗は堂々と選手宣誓の大役をまっとうした(写真=矢島公彦)

 12月28日、第101回全国高校サッカー選手権が国立競技場で開幕を迎え、試合に先んじて開会式が行われた。

 最初は出場48校の行進からスタート。昨年度のチャンピオン青森山田(青森)を先頭とし、その後は北から順に各都道府県の代表校がスタジアムに入場していく。前橋育英(群馬)は伝統工芸品のダルマを手に持ち、徳島市立(徳島)は阿波踊りを演じたり、大津(熊本)は学校創設100周年のフラッグを掲げ、西原(沖縄)はシーサーのポーズをするなど、工夫を凝らしてアピールする学校も見られた。

 大会実行委員長である全国高体連サッカー部の玉生謙介氏の開会宣言のあと、国歌演奏が終わると、ディフェンディングチャンピオンの青森山田の選手から優勝旗が返還された。

 そして日本サッカー協会の田嶋幸三会長から「4年後のワールドカップに向けて我々はスタートしています。みなさんもそこに出てやるんだと、そういう気持ちでプレーしてほしい」と激励の挨拶が行われた。

 開会式を締めくくったのは、東山(京都)のキャプテン新谷陸斗(3年)による選手宣誓。

 「新型コロナが流行し、思う存分サッカーが出来ない日々が長く続き、何度も不安を抱きました。私たちのチームでは個人練習の日々が続き、ボールと向き合っている時に、味方や相手の選手をイメージして練習をしていることに気付き、サッカーは仲間みんなでするものだと改めて感じました」と語り、「先日のカタールワールドカップで日本代表は惜しくも目標のベスト8にあと一歩届きませんでしたが、グループステージでドイツとスペインに歴史的勝利を収めました。その勝利は私たちに新たな景色を見せてくれ、世界中の多くの人に夢や希望、感動を与えてくれました。次は私たちが勇気や感動を日本中に届けたいです」と堂々と話した。

 大役を終えた新谷は「宣誓をさせてもらうと決まってから、やっぱり聞いてくださる人の心に響く言葉を言おうと思っていた。それが良かったかどうかは分からないですけど、それを上手く自分の言葉で伝えられたので良かったです」と振り返った。

(文=多田哲平)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権