4強組では清水のMF矢田龍之介(2年)とMF西原源樹(2年)の活躍が印象深い。前者は中盤の底でインテンシティーの高さを武器に攻守に渡ってチームを牽引。後者は右サイドハーフのポジションで突破力と得点力で準決勝進出の原動力になった。初のセミファイナル進出を果たした岡山では南稜大と藤田成充の2年生ボランチコンビが奮戦。ボール奪取能力を武器にチームの躍進を支え、大会中に発表されたU-17代表の活動にサポートメンバーとして帯同することが決まった。

 その他では鹿島のFW徳田誉(2年)が復調をアピール。怪我でAFC U17アジアカップを棒に振ったが、今大会はベンチスタートながらゴールを重ね、グループステージ最終節の京都戦(1-0)では終了間際に決勝点を奪う活躍を見せた。広島のMF中島洋次郎(2年)は抜群の攻撃センスを発揮。抜群のボールコントロールで相手のプレッシャーを外すと、質の高いパスでチャンスを創出した。鳥栖のFW鈴木大馳(2年)もフィジカルコンタクトで強みを見せ、ポストプレーで攻撃の起点に。8日に開幕するHiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー大会でU-17代表のメンバーに選出されており、アピール次第ではメンバー入りの可能性が広がる。

 大会前は不安を口にしていたU-17代表の森山佳郎監督も、選手たちの活躍ぶりに「良い意味で頭を悩ませてしまうね」と口元を緩ませる。それほどまでに1、2年生の活躍が目立った大会だった。可能性は無限大。11月下旬に幕を開けるU-17ワールドカップに向けて、実りある大会になった。

(文・写真=松尾祐希)