後半に入り、前半とは対照的にペースを握ったのは駒澤大学高等学校。44分、中盤でボールを奪うと前線へ走り出したFW安藤丈へ。ボールを受けた安藤丈が右サイドから切り返しシュートを放つが成立GKの好セーブの前にゴールとはならなかった。48分には、中央7番がルーズボールに対しGKとDFとの競り合いの中から粘り強くシュートを放つなど少しずつゴールへ迫る。すると49分、パスカットから一気に前線へ繋ぎスルーパスを送ると、オフサイドギリギリのタイミングで抜け出したFW安藤丈がGKとの1対1を冷静に決めて先制点を奪った。

 まさに速攻のお手本のような形でゴールを決めた駒澤大学高等学校に対し、攻め込む成立学園は52分、55分と立て続けにセットプレーからゴールを狙うも決めきることができない。

 攻め込む成立学園ペースの中、駒澤大学高等学校は選手交代で流れを変えようと試みる。ボランチ16番に代えて攻撃的な8番を投入し前線でボールを収めたいところであったが、成立DFもしっかりと対応し流れを渡さない。

 すると迎えた70分、選手交代と前線のポジションチェンジで攻撃にアクセントを加えた1点を追う成立学園がチャンスをモノにする。ピッチ中央付近からのFKでロングボールを送ると、競ったボールがゴール前にこぼれる。このボールに反応した途中出場FW20番が蹴り込んで同点ゴールを奪った。

 しかし、試合を振り出しに戻した成立の喜びは長くは続かない。同点ゴールから2分後の72分、駒澤大学高等学校はゴール前中央でボールを受けたFW安藤丈が左へ落としたところ、フリーで走り込んだ7番が落ち着いて決めて再びリードを奪った。

2対1、駒澤大学高等学校がリード。攻め込むものの追いつくことができない成立学園はアディショナルタイムの3分も過ぎ、迎えたラストプレー。自陣からのFKをゴール前に放り込むと、全員がゴール前まで下がり守備を固めた駒澤大学高等学校イレブンと競り合い、ゴール前の混戦から最後はFW町田ブライトがシュートを放つがバーの上を越え決定機を決めることができず。その瞬間試合終了を告げる笛が吹かれ駒澤大学高等学校の念願の初優勝が決まった。

優勝を決めた駒澤大学高等学校。そして惜しくも準優勝となった成立学園。好ゲームを見せた2校の全国での活躍から目が離せない。

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