6月22日、いよいよ東京の頂点が決まる。前日に行われた平成26年度東京都・総体準決勝で勝利し、全国への切符を掴んだ成立学園駒澤大学高等学校が決勝の舞台、駒沢第2球技場に登場した。激しい雨が降り頻る人工芝のピッチで迎えた10時、運命のキックオフ。

 ここまで洗練されたパスサッカーを武器に勝ち上がってきた成立学園は4-4-2の布陣で序盤からペースを握り、チャンスを作る。開始1分、右SB2番が深い位置からクロスを上げるとゴール前11番町田ブライト、7番が飛び込むも惜しくも合わない。雨の影響で水を多く含んだピッチによってボールスピードが上がり、パスサッカーを展開する成立学園にとっては追い風となった。対する駒澤大学高等学校は4-4-2の布陣で、右サイド7番が比較的高いポジションを取る。成立学園ペースの序盤となったが、速攻から何度かチャンスを作った。6分、右サイドから5番がクロスを送ると、中央で9番安藤丈がヘディングシュート。これはゴールには結びつかないもののエース9番安藤丈にボールが入るタイミングで周りの10番、11番、7番の動き出しが早く、そこから繰り出される速攻に迫力が感じられた。

 ボールポゼッションを高める成立学園のパスワークの中心はボランチ8番と、10番上田悠起。8番はボールがあるサイドに多く顔を出し、展開することで前線の選手の動きを引き出す。10分、CB4番の縦パスを受けたMF上田悠起が素晴らしいターンからシュート。続く14分にも上田悠起が得意の左足で強烈なミドルシュートを放つがGKが弾き出した。

 圧倒的に攻める成立学園駒澤大学高等学校のDFと中盤の間のスペース、バイタルエリアで効果的に前を向いてボールを受けることができ、25に9番、28分には上田悠起と、それぞれペナルティエリア外から積極的なシュートを狙うが、そこに立ちはだかったのは駒澤大学高等学校の守護神。グランダーのシュートがピッチの影響で伸びる難しい状況にも動じず、落ち着いた対応で好セーブを連発した。

 守護神の頑張りに奮起したい駒澤大学高等学校の攻撃陣であったが前半はほとんど良いところなし。36分にはゴールキックからFW安藤丈が自ら持ち込んでシュートを狙うも不発に終わった。

前半を通して攻め込んだ成立学園も迎えた前半終了間際、右SB2番が上田悠起とのワンツーからシュートを放つもポストに嫌われゴールを奪えず前半は0対0のスコアレスで終了した。

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