3対1、大東大一が2点のリードを得て迎えた後半、勝負はさらに激しさを増す。 後半開始早々の36分、都立八王子北はMF若松孝維のシュートのこぼれ球に反応したMF馬場将希が決めて1点差に詰め寄れば、対する大東大一も40分、MF江川湧宣がネットを揺らしチームに4点目をもたらす。互いに一歩も譲らないせめぎ合いが続いた。

 大東大一のポゼッションが続く中、攻撃に耐え同点を目指す都立八王子北は54分、再び1点返上。左からのクロスにMF馬場将希が頭で合わせハットトリック達成となるゴールを叩き込んだ。 

 こうなると勢い止まらない都立八王子北
 63分、歓喜の同点ゴールが生まれた。決めたのはまたもやMF馬場将希。バイタルエリアでのボールキープから倒され、自ら絶好の位置でFKを獲得する。ゴール真正面、右足から放たれたボールは鮮やかな弧を描きゴール右隅へと吸い込まれた。

 4対4、試合は振出しへと戻り、その後互いに勝ち越し点を奪えないまま70分間の終了を告げるホイッスル。終了間際、共にPK戦突入を意識したGKの交代を経て、勝負は最終勝負に委ねられた。

 運命のPK戦、全員がキックを成功させた大東大一に対し、都立八王子北は1人目、そして2人目と連続で失敗すると、4人目のキックも失敗。後半終了間際に投入された大東大一GK中村直人のビックセーブもあり、PK戦スコア4対1で軍配は大東大一に上がった。

 苦しみながらも激闘を制した大東大一がブロック決勝へ進出。一方、敗れた都立八王子はMF馬場将希らの活躍でビハインドを追い付く粘りを見せたが惜しくも及ばず、3回戦敗退となった。

(文・写真 金子 侑史)

▽大会日程・結果
2015年 第94回全国高校サッカー選手権東京一次予選