選手権1次予選は17日、いよいよ3回戦の戦いを迎えた。高い湿度により蒸し暑さが続く駒沢第2球技場ではA8ブロック、東京学芸大附正則が激突。20日に予定されているブロック決勝を賭けた一戦は東京学芸大附のキックオフで幕開け。互いに一歩も譲らない接戦となった。

 初戦で都立鷺宮を3対0で一蹴。快勝を収めこの3回戦に臨む東京学芸大附は、4-4-2のフォーメーションを組んで勝利を目指す。するといきなりチャンスが訪れた。開始3分、左サイドアーリークロスに対し、中央競ったボールが裏のスペースに抜けると攻撃参加していたボランチ古賀樹がボレーシュートを叩き込み先制に成功。互いに浮足立つ場面が目立った立ち上がりにまずは貴重な先制点を奪った。

 DFラインを中心に縦パスを積極的に供給する意識が高い東京学芸大附。そのパスの中継地点として中央で重要な役割を担うボランチの2人に注目。先制点を決めた古賀と、足元の技術に加え、攻撃的センス溢れるレフティー中村知朗が形成するダブルボランチがチームの要として多くボールに絡むことにより、東京学芸大附は少しずつポゼッションを高め始めた。

 ダブルボランチに対峙するのはこちらもダブルボランチ。初戦では3対1で都立深川を下し、3回戦に駒を進めてきた正則を牽引するのは4-4-2の布陣を中央で支える野田真吾、清水隆太の2人。5分、左サイドでFKを得ると、キッカーを務めるのは清水。精度の高いクロスに野田が合わせるも、GKがこれを弾き出す。すぐさま同点とはならなかったものの、ボランチの2人がキッカーとして、またはターゲットとして正則の攻撃を展開した。

 中盤の攻防に注目が集まる中、次に試合を動かしたのは1点ビハインドの正則。GKから「コートをワイドに使え」という指示も飛び、ダブルボランチを中心にサイド攻撃が少しずつ相手の脅威になり始めていた22分、左サイドから仕掛けると、ゴール前中央、ペナルティエリア外から飯島悠斗が狙う。前線で献身的なプレーをするFWが放ったこの滞空時間の長いシュートがGKの手をかすめゴールに吸い込まれる。正則が1対1の同点に追いついた。

 一方、追い付かれた東京学芸大附。前半終了間際には、素早いリスタートから古賀が中央をドリブルで突破し、右サイドに開いた岸本英へスルーパス。このラストパスをダイレクトで狙うが惜しくもバーの上。勝ち越しのチャンスを活かせず、両チームとも球際のプレスの激しさが徹底された見ごたえある一進一退の戦いは1対1の同点で後半戦へと突入した。

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