多摩大目黒はハーフタイムに前半の得点者9番加藤に変え、FW11番石井翔を投入した。

 後半開始と共にチャンスを得たのは多摩大目黒、キックオフと共に左コーナー目がけて疾走する攻撃陣、落下地点に人数を集めしっかりとボールを納める多摩大目黒。ここから細かいパスワークで相手を翻弄すると、たまらず東京実業のDFは足を出してしまう。絶好の位置で迎えたフリーキック。キッカーは20番中村亮太。しかし、これは東京実業の壁に阻まれてしまう。さらに後半9分には、多摩大目黒11番が左サイドを抜け出しボールと共に独走。この折り返しにFW17番鰺坂が飛び込んでいくもこれはDF陣がクリア。

 何としてでも追いつきたい東京実業。後半10分からはお互い打ち合いが始まる。
DF4番境亘平、3番伊ノ木洸平の闘志溢れる守備と中盤で攻守に渡り奮闘するMF6番森良太、その頑張りに応えたい東京実業の攻撃陣。

 一方の多摩大目黒は、強烈な相手攻撃陣を見事な集中力で抑えるDF3番宮崎隼、14番関澤海を筆頭とするDFラインに加え、後半は明らかな狙いを持って攻める攻撃陣。FW11番石井、17番鰺坂のスピードを活かして左サイドに蹴ったボールを個人技、若しくは3,4人が絡んでの連携によるカウンターを執拗に繰り返していた。

 後半11分、東京実業が絶好の位置でフリーキックを迎える。キッカー4番境の強烈なFKはゴール左隅にいくもこれはキーパーが冷静にキャッチ。

 後半22分、多摩大目黒が左サイドでのMF14番関澤の崩しからチャンスを迎え、中で合わせたボールはゴールも割るもこれはオフサイドの判定。続いて31分、ショートカウンターからボールを受けた20番中村がシュートを放つもこれはゴール僅か左。さらに39分、ハーフウェイライン付近でボールを受けたFW11番鰺坂が3人を交わし独走、シュートを放つもこれは僅かにゴール右に逸れてしまう。

 主体的にゲームを支配するも、多摩大目黒の鋭いカウンターに肝を冷やす東京実業。相手のバイタルエリアを取り囲む時間帯が続いているが中々ゴールを割ることが出来ない。

 そんな中ついに、後半43分同点のチャンスを迎える。MF10番萩原のスルーパスを右サイドで受けたFW11番栗田が強烈なシュートを放つ。しかしながらこれはゴールの枠を捉えることが出来なかった。予選でもさく裂した10番11番のコンビを持ってしてもゴールを割ることが出来ない。

 そしてここで試合終了のホイッスル。

 最後まで自分達の戦い方を徹底し攻め続けた東京実業と出来る事とやりたいことをバランスよく施行し、強烈なカウンターで勝利を呼び寄せた多摩大目黒。試合終了後はどちらの応援団も両者を称えて拍手する白熱したゲームとなった。次に駒を進めた多摩大目黒には惜しくも敗れた東京実業の分も期待したい。

(文 光森圭佑)