4日、T1リーグ第10節、成立学園対FCトリプレッタユースの試合が駒沢第二球技場で行われた。総体二次トーナメントの暁星高等学校戦に向け弾みを付けたい成立学園に対し、初勝利を手にしたいFCトリプレッタユースの一戦は良好な人工芝のピッチで激しい点の取り合いとなった。

 前半、試合に対し良い入り方をしたのは初勝利を目指すFCトリプレッタユース。4-5-1を基本に非常にコンパクトな陣形を保ちながら、マイボール時には両サイドMFが高いポジションを取り、4-3-3の攻撃的布陣でゴールに迫る。ファーストシュートは2分、キャプテンマークを巻く10番・宮澤俊太朗が中央をドリブルで仕掛け、ペナルティエリア外からミドルシュートを狙うがこれは右へと外れる。開始早々攻撃的な狙いで試合を進めるFCトリプレッタユースの勢いに押される形となった成立学園は、5得点を奪って明大中野八王子に快勝した総体ブロック決勝からスタメンを入れ替え、この試合に臨んだ。4-4-2の布陣で攻撃的なFCトリプレッタユースの攻撃を跳ね返し、徐々にペースを掴み始めるとチャンスを作り始める。立て続けに右サイドを崩してゴールに迫ると14分、右サイドをオーバーラップした2番・吉田将也のグランダークロスにFW11番・吉村伸が合わせ先制点を奪うとこの1点を皮切りに両チームによるゴールショーが開幕する。

 先制点を奪われ守備の立て直しを図るFCトリプレッタユースに対し、なおも攻める成立学園は18分、またもや右サイドを吉田将也と吉村伸のワンツーで崩すと、2番からのクロスに9番・上村諒斗が合わせて追加点。早い時間に2対0とリードを奪う。

 2点を奪った勢いそのままにボールを支配し、巧みなパスワークで試合をコントロールする成立学園に対し、FCトリプレッタユースは守備に追われる時間が増える。しかし、その中でも攻撃の中心を担う宮澤俊太朗が低い位置まで下がり、ボールを受け前線へと供給しリズムを生み出すと30分、右サイドでボールを奪取し速攻を仕掛ける。中央の宮澤俊太朗、そして左から走り込んだ8番・名幸龍平へと繋ぎ、最後は名幸が相手DFを巧みにかわしてゴールへと流し込み1点を返す。さらに攻撃に人数を掛けるFCトリプレッタユースは34分、ゴール前の混戦から9番・ピーダーセン世隠が右足を振りぬき、待望の同点ゴールを奪った。

 目まぐるしく攻守が入れ替わる展開の中で、次の1点を奪ったのは成立学園。39分、相手GKのクリアボールをピッチ中央でヘッドで跳ね返すとこのボールに対し、相手DFが処理を誤る。そのこぼれ球を拾った8番・三角航平が放ったロングシュートがGKが戻りきれない間にそのままゴールへと吸い込まれ3対2と勝ち越しに成功する。

 しかし、前半の激しい点の取り合いはまだ終わらない。再びリードを許したFCトリプレッタユースは41分、右サイドを抜け出した宮澤俊太朗がミドルシュートを放つ。バーに直撃したボールはそのままゴールラインを割ったかのようにも見えたが、ゴールインを示す笛は鳴らず。しかし、この跳ね返りに詰めた泉黎が相手DFとGKとの競り合いの中からゴールを決め、またもや3対3の同点。互いに一歩も譲らない展開で激しい前半の攻防を終えた。

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