終盤戦を迎えたT2リーグで対照的な状況の両チームが激突。8日、第14節日本学園多摩大目黒の一戦が駒沢補助競技場で行われた。13試合を消化し、2勝8敗3分けで勝ち点9、最下位に沈み降格争いを演じている日本学園。対するは12試合で10勝1敗1分け、勝ち点31を積み上げている多摩大目黒。6日に行われた試合で勝利した都立東久留米総合(13試合消化)に首位を明け渡したが、今節も勝利し再び首位の座を狙う。

  互いに4-4-2のフォーメーションでキックオフ。序盤攻勢を強めたのは日本学園であった。攻撃のターゲットは10番宮下流阿、19番菊池壱星の強力2トップ。インターセプトの意識が高く、速い出足でボールを奪うと前線の2人を中心に速攻を仕掛けた。6分、11番がパスカットから左サイドを縦に突破し、中央へラストパス。ボールを受けた19番菊池壱星がやや強引に狙うこのファーストシュートはバーの上を越えた。さらに11分には6番が中央から左サイドへドリブルで持ち出すと11番とのワンツーから裏に抜ける。枠を捕えた強烈なシュートを放つがGKの好セーブの前に先制ゴールとはならなかった。

 立て続けのピンチに肝を冷やした多摩大目黒はDFラインからボールを回すことができるが“持たされている”という表現が正しい状況か。中央にしっかりとブロックを形成し、パスの出所を速いプレスで狙う日本学園のDFに苦しめられる立ち上がりとなった。それでも好調のチームはすぐに適応力を発揮。ブロックを掻い潜るテンポの良いパスワークと両サイドを偏りなく使うワイドな攻撃を展開すると、17分には左MF20番堀越大蔵の大きなサイドチェンジからチャンス。右サイドに開いていた11番が相手と競りながら突破しシュートを放つがこれは決めることができなかった。

 それでも続く多摩大目黒の攻撃。ゴール前やや右寄りの位置でFKのチャンスを得るとボールの前には20番堀越大蔵、16番西克仁。27分、20番堀越大蔵のフェイクから16番西克仁が左足を振り抜くと、放たれたボールは緩やかな曲線を描きゴールに吸い込まれ鮮やかなゴール。重要な試合で先制点を奪った。

 一方、追いかける立場となった日本学園も食い下がる。43分、左CKに15番岩村寛太が頭で合わせて同点ゴール。前半終了間際に貴重なゴールを奪うとその勢いは後半に入っても続いた。

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