19日、T2リーグ第11節東京実業都立駒場の一戦が人工芝のピッチ、駒沢第二球技場で行われた。共にここまで苦戦を強いられている両チームは何としても勝利が欲しいところ。特に鮮やかな青を身にまとう都立駒場は21日に行われる高校総体準決勝、駒澤大学高等学校戦に向けてコンディションを高める上でも重要な試合であった。

 その都立駒場は先日の総体準決勝からメンバーを入れ替えて4-5-1の布陣でこの試合に臨む。対する東京実業は4-4-2を基本フォーメーションにキックオフを迎えた。序盤、両チームとも積極的な立ち上がりを見せると、最初のチャンスは開始1分、東京実業はボランチ8番の縦パスを受けた9番・前田航大がペナルティエリアやや外からミドルシュートを狙うもこのシュートは力なく外れた。その1分後には都立駒場に絶好の決定機が訪れる。右から12番・真﨑康平がクロスを上げると、中央で8番が合わせるがこのシュートはクロスバーに弾かれる。その跳ね返りに6番が詰めるも枠を捕えられず、先制点には至らなかった。

 東京実業は右SB5番と左SB7番が攻守によってポジショニングに変化をもたらし、全体的なコンパクトさを保つ中で状況に応じて3-5-2の陣形をとるなど組織的な戦術が随所で見受けられた。また、積極的にボールを追う前線から、しっかりとラインコントロールされた最終ラインまでチームとしての連動した守備から序盤のペースを握る展開となった。

 22分には、11番のテクニックから右サイド6番と繋ぎ、最後は14番・栗田マークがシュートを放つ。惜しくもバーを越えゴールとはならなかったが、攻撃で良い形を作り出し少しずつゴールの匂いがし始める。

 一方の都立駒場は中盤での競り合いにことごとく敗れ、攻撃の糸口が掴めない。攻撃の中心となるはずの、14番や20番にボールが収まらず右MF12番・真﨑康平が孤軍奮闘の状態。

 すると0対0で迎えた38分、東京実業が相手のミスを見逃さず待望の先制点を奪う。FW9番・前田航大が右サイド、都立駒場陣内でボールを奪うと、中央へラストパス。このパスが左サイドから走り込んだ14番・栗田マークに繋がり、トラップから落ち着いてゴールへ流し込んだ。
 そして前半45分はこのまま終了。前線で精力的な動きを見せていた9番・前田航大のお膳立てからゴールを奪った東京実業が1点リードして前半を終えた。

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