明秀日立のFW石橋鞘は貴重な先制ゴールを奪取(写真=多田哲平)

 結果的にこの2点目が大きかった。後半に入って息を吹き返した日大藤沢に38分、CKの流れからMF6布施克真(2年)にゴールを許して1点を返されたが、それでもまだリードをしている余裕と落ち着きが明秀日立にはあった。

 ピッチ上で明秀日立の選手たちは『まだ1点ある。もう一度立ち上がりのつもりでやろう』という声をかけ合い、メンタルを持ち直した。

 失点から5分後の43分には、左サイドのクロスの流れから、最後は熊﨑が押し込んで加点。9番のこの日2点目で明秀日立が再びリードを広げる。

 その後、今大会5試合目とは思えぬタフネスぶりを披露。MF6大原大和(3年)とMF7吉田裕哉(3年)の2ボランチ、右の長谷川と左のDF14阿部巧実(2年)という両SBは終盤まで攻守に奔走。DF5山本凌(3年)とDF3飯田朝陽(3年)は抜群の安定感を誇り、GK12重松陽(2年)も最後まで集中力を切らすことはなかった。またMF19斉藤生樹(3年)やMF17竹花龍生(2年)、FW10根岸隼(3年)といった前線のメンバーを替えながらハイプレスの強度を最後まで維持した。

 そして3-1でタイムアップ。見事な戦いぶりで、茨城県勢としては実に34大会ぶりとなる決勝切符を掴んでみせた(1988年/昭和63年大会に古河一が準優勝)。4日の決勝では桐光学園(神奈川1)と対戦する。

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▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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