明秀日立のDF長谷川幸蔵は攻守に奔走。桐光学園のMF松田悠世は鋭い突破から同点弾(写真=多田哲平)

 それでも堅守を武器に勝ち上がってきた明秀日立は粘り強く、その後の攻撃を阻止。また守りに入るばかりでなく、MF19斉藤生樹(3年)、FW10根岸隼(3年)、FW17竹花龍生(2年)らアタッカー陣を送り込んで、終盤にはカウンターから追撃を狙った。

 しかし結局2-2で前後半の70分が終了し、延長に入っても互いに攻め合ったが、勝ち越しゴールはどちらにも生まれず。決着はPK戦に委ねられた。

 PK戦では選手たちはみな研ぎ澄まされていたのだろう、双方とも5人ずつが決め、サドンデスに突入。その長い戦いに終止符が打たれたのは7順目だった。

 先行・明秀日立のキッカーが成功すると、後攻・桐光学園のキックを守護神の重松が見事にセーブ。PK戦を7-6で制した明秀日立が初優勝を飾った。茨城県勢としては43大会ぶり2度目のインハイ制覇だった。

 明秀日立を率いる萬場努監督は「今大会に関してはうちの努力が、現時点で日本一に見合う結果になったのかなと」とここまでの準備が実を結んだことに胸を張った。ただし「まだまだサッカー選手として積み上げなければいけない課題はより明確になった。頑張る姿勢は十分だが、質にこだわることは6試合で気づかせてもらいました」とさらなる要求も忘れなかった。

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▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
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