仙台育英MF和久井友皓(3年)は試合終盤値千金のループシュートを決めた(写真=小林健志)

 互いに決め手を欠くまま迎えた83分、遠野は中盤からうまくパスがつながり、最後はゴール前に飛び込んでいた池口がシュートを決め、ついに先制に成功した。しかし仙台育英も猛攻を見せ、88分右サイドゴールまでやや遠い場所でフリーキックのチャンスを得る。ここでMF和久井友皓(3年)が、GKのポジションを見逃さず、ループシュートを放つ。これが強風に乗ってゴールへ吸い込まれて同点に追いつき、1-1でPK戦に突入した。

 PK戦に入る直前仙台育英はGKを小川からGK築山頼(3年)に交代していた。その築山が「自分はPKが得意で、練習試合でもPKストッパーとしてやっていたので、自信がありました」と語る通り、PKへの強さを発揮した。遠野1人目の昆野と4人目池口のPKを見事にストップ。「最後まで相手の動きを見て駆け引きして止めるだけでした」と駆け引きに勝った。遠野GK浅沼も仙台育英1人目MF工藤天(2年)のPKは止めたが、それ以降は5人目まで決められ、4-3で仙台育英が勝利。1年でのプリンスリーグ東北復帰を決めた。

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