「日大藤沢、静岡学園との激闘を制し初の4強入り!」

 第93回全国高校サッカー選手権準々決勝、浦和駒場スタジアムで行われた第2試合に登場したのは、神奈川代表・日大藤沢と静岡代表・静岡学園
 1回戦から登場、その初戦・徳島市立戦をPK戦の末制すると、高川学園には3対2、開志学園JSCには3対0と攻撃力を武器に勝ちあがってきた。一方の静岡学園は、何といっても3回戦、3対0というスコアで夏の王者・東福岡を破ったのが印象深い。初戦となった2回戦も佐賀東を相手に6対0と快勝。この準々決勝も制し、埼玉スタジアム2002行きを決められるか。

 試合は前半からお互い攻撃を繰り出す。まずチャンスを作ったのは静岡学園。5分、加納澪が日大藤沢DFを引き連れながらPA内へ。シュートを放つがこれはGK鈴木孔明がセーブ。20分過ぎにもゴール前の混戦から加納がシュートするも、今度はDFがブロック。

 日大藤沢も負けじと攻め入る。30分過ぎには静岡学園のGKがロングボールの処理でエリア外に飛び出し、抜け出した栗林大地がゴールを狙うも、こちらは静岡学園DFが懸命に戻りシュートを打たせず。結局前半はスコアレスのまま折り返すことになる。

 後半、開始から静岡学園がペースを握る。次々と日大藤沢ゴールにシュートを浴びせ迫っていく。
 だが、均衡を破ったのは劣勢に立たされた日大藤沢だった。後半29分、FKを獲得すると、ボールはゴール前へ。これを前田マイケル純が押し込み日大藤沢が先制。前田は交代で入った直後、見事期待に応える形となった。

 押し気味に試合を進めていたにもかかわらず、セットプレーから失点してしまった静岡学園だったが、慌てずキッチリと同点に追いつく。直後の31分、ゴール前の混戦の中、静岡学園・本藤風太が押し込み試合を振り出しに戻す。

 にわかに慌ただしく動き出した試合。何かが起こると期待が会場を包む中、38分、その時はやってきた。
 日大藤沢は右のスローインからのボールを受けた今井裕太がゴールへと流し込み、これが決勝点。2対1で日大藤沢静岡学園を下し準決勝へと駒を進めることになった。

 実は今井も途中出場。プレッシャーのかかる中、値千金となるゴールでチームの4強入りに大貢献した。
 ベンチワークがピタリと当たった日大藤沢が激戦をかいくぐり埼玉スタジアム2002息の切符を手にした。準決勝の相手は星稜(石川)。初の4強入りを果たした日大藤沢に怖いものは無い。