ボールを持つ実践学園(B)と速攻を狙う都立石神井。試合が動いたのは31分だった。実践学園(B)は左サイド、DFラインの裏へと抜け出した14番・伊藤大貴が自らペナルティエリア内に切り込み、右足を振りぬく。献身的なプレーを継続していたアタッカーのゴールで実践学園(B)が貴重な先制点を奪った。

 1点を先制し、前線での動きに流動性が増した実践学園(B)は40分にも追加点。左CKからゴール前混戦、ルーズボールを4番・久保翔太が蹴り込み2対0とリードを広げた。立ち上がりから粘り強い守備を続けていた都立石神井にとっては痛い2失点目。後半に向けて守備を中心に立て直しが図られる。

 すると後半は一変して都立石神井ペースで進む。左サイドを中心とした速攻に加え、バックラインからボールを回す時間が増える。ボランチの6番、17番を中心としたパスワークからFWの2人のドリブル突破でゴールを目指すが、ゴールに直結するラストパス、ラストタッチで少しのズレが目立つ。

 72分には6番の大きな展開からゴール前やや右でボールを受けた18番がドリブル突破を図るがシュートを打ち切れず。文字通り、“あと一歩”のシーンが多く見られた。
 対して、後半あまり良い所が少なかった実践学園(B)。アタッカータイプが並ぶ前線でボールが収まらず前半のようにゴールに迫る場面が作り出せなかった。見せ場は途中出場の5番のミドルシュートがポストに直撃した場面。リードしながらも重苦しい雰囲気の中試合は残り10分の攻防。

 迎えた79分、攻める姿勢を貫く都立石神井がチャンスを活かす。パスをつなぎ右サイドへ展開すると、10番・谷村風がゴール前へと精度の高いアーリークロス。このボールに5番が頭で合わせゴールネットを揺らす。ようやく待望の1点を返した都立石神井はその後も前線に人数をかけ、早めのクロスから同点ゴールを狙っていく。

 試合も残り5分、強い雨が降り出す中1点を争う接戦に終止符を打ったのは実践学園(B)であった。都立石神井が攻め手を強めることで生まれた攻撃のスペースを活かして獲得した左CKから91分、途中出場9番・小山大輝が決めて試合を決定づける3点目。

 試合終了間際に突き放した実践学園(B)が3対1で勝利。都立石神井の初勝利はまたもお預けとなった。

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