試合風景

 高校サッカー総体東京都予選2次トーナメントはいよいよクライマックスを迎える戦いへ。14日に行われた準々決勝、勝てば全国出場へ大手の掛かる東京朝鮮中高級学校帝京の一戦は、全8ゴールが生まれる100分間の激闘となった。

 全国屈指の強豪として名を轟かせた栄光も今は昔。近年は、全国はおろか実力均衡が著しい東京で苦戦が続く帝京は、今大会に5年ぶりの優勝を期す。振り返れば1次予選1回戦で前回大会準優勝の成立学園をPK戦の末破り、その後は東農大一堀越を退けたがいずれも接戦。勝負強さが光る勝ち上がりで一歩ずつ駒を進めてきた古豪はこの日、4-4-2の布陣で勝利を目指す。

 対するは日本学園多摩大目黒ら実力校を退け、準々決勝へと駒を進めてきた東京朝鮮中高級学校。06年以来となるベスト4進出へ、前回と同じ4-4-2のシステムを敷いてキックオフを迎えた。

 共に「縦への力強い推進力」を押し出す両チームの対峙、序盤からロングボールを多用し、早い段階でFWへと展開するシンプルな攻撃が目立つ。6分、帝京は左サイドからMF浅見颯人のクロスでチャンスを迎えれば、9分には東京朝鮮中高級学校MFキムソンホがミドルレンジからチームファーストシュート。先制点を巡る攻撃の応酬が繰り広げられた。

 先制点は東京朝鮮中高級学校。ルーズボールをゴール前で拾ったFWリャンヒョンジュがDFのブロックを受けながら、GKとの1対1を冷静に沈めゴール。エースの一発で試合の均衡を破ることに成功する。

 一方、今大会2度目となる追う展開を強いられた帝京。最前線のFW青柳寛己がボールの引き出し役を担い、MF長倉昂哉、MF浅見颯人といったスピードのある両サイドハーフが絡むことで、チャンスを作り出すが、手元の集計で枠内シュートは0。決定打を欠き、前半は1点のビハインドを背負う形でハーフタイムを迎えた。

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